- 『NICU・GCU』について知りたい
- 面会の条件はある?
- 退院の目安はどれくらいか知りたい
- 『NICU・GCU』の体験談が聞きたい
早産児や低体重児、先天性の疾患や障がいを持った赤ちゃんを出産した場合、赤ちゃんは『NICU』または『GCU』へ入院することになります。
この記事では、『NICU・GCU』に入院になった場合どんな風に過ごすのか、入院~退院までについて、体験談を踏まえてお話ししていきます。
妊娠中の方や、これから出産を控えているママに知っていてもらいたい内容となっていますので、ぜひこのまま読み進めてみてくださいね。
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NICU(新生児集中治療室)とは


NICU(新生児集中治療室)は早産児や低体重児、先天性の疾患や障がいを持った新生児のケアを行うところです。
正式名は「 Neonatal Intensive Care Unit」
NICUでは、新生児専門の医師や看護師が24時間体制で治療やお世話をしてくれて、看護師は赤ちゃん3人に対して1人以上の配置が定められています。
体の機能が未発達な新生児は様々なトラブルや病気がでてしまう可能性も。
担当の医師以外にも眼科や耳鼻科、脳神経外科、心臓外科など、いろんな分野の先生たちが赤ちゃんを診てくれます。
NICUのお部屋の様子
NICUに入院している赤ちゃんは保育器の中で過ごします。
保育器の周りには赤ちゃんの心拍や呼吸の状態を示すモニターや人工呼吸器など、たくさんの医療機器が並んでいます。
部屋は静かで照明は暗く(夜はほぼ機械の照明のみで暗い)、少し暖かいなーと感じるぐらいの室温。
普通の新生児室とは別の部屋になっていて、私が出産した病院ではNICUの隣がGCUになっていました。
施設基準
NICUの施設基準について、Wikipedia(ウィキペディア)に詳しく書かれています。
日本においては厚生労働省が新生児特定集中治療室の施設基準を定めており、常時医師が治療室内に勤務していることや、当直医は他病棟との兼任でないこと、一床あたりの床面積が7平方メートル以上であること、自家発電装置を有していること、バイオクリーンルームであることなどが求められている。
このため、新生児特定集中治療室を有する病院には産科や小児科からは独立した新生児科(または未熟児科)という診療科が設置されていることが多い。
引用:Wikipedia
GCUとは
GCU(新生児治療回復室)は、 NICUでの治療を乗り越え、ある程度状態が落ち着いてきた赤ちゃんのケアを行うところです。
正式名は「Growing Care Unit」
保育器無しでも自分の力で体温調節や呼吸ができるようになると、GCUに移動して退院に向けての準備をしていきます。
ちなみに、NICUのある病院には必ずGCUもある、というわけではありません。
早産や低体重の赤ちゃんのケア
早産児や低体重児など、何かしらの疾患をもって生まれてきたハイリスクの新生児に対して、成長・発達をサポートするケアを『ディベロップメンタルケア』といいます。
- 音や光による刺激を和らげ、静かで暗い温かな子宮内の状態に近づける
- 保育器にカバーをかける(光刺激・音の刺激への配慮)
- 赤ちゃんの周囲に丸い囲みを作って、子宮内にいたときの姿勢に近づける
- 赤ちゃんの睡眠と覚醒のリズムに合わせたケア
- 体位変換やおむつの交換など、赤ちゃんにストレスがかからないようケアを行う
- 家族の協力を得て、肌との触れ合いによる情緒的ケア
NICU・GCU体験談


出産後すぐにNICUへ入院
生まれたときの体重は2116g。元気に「おぎゃ〜」と泣いてくれました。
幸いにも自発呼吸ができていて元気な様子だったので、ほんの少しの間カンガルーケアで抱っこさせてもらえました。
そして赤ちゃんはNICUへ。
「赤ちゃん元気ですよ。肺に少し水が溜まっているけど、そこまで心配しなくても大丈夫かな~と思います」と先生に言われ、ほっとしました。
次に会えたのは22時頃。出産後の処置を終え、しばらく経ってから病室に戻り、助産師さんと一緒によろよろ歩きながらNICUへ。
暗い部屋の一角に息子が眠る保育器があり、鼻には酸素、小さな体には点滴やたくさんのチューブが繋がれていました。
自分を責める日々
「もっと早く病院に行けばよかった…全部自分のせいだ……」
保育器の中で点滴やたくさんのチューブに繋がれている小さい我が子を見て自分を責めては涙する日々…。
NICUへ面会に行くたびに先生や看護師さんに励まされ、赤ちゃんの状態やこれからの治療法など、毎回丁寧に説明してくれたおかげでなんとか乗り越えられました。
新生児一過性多呼吸
息子は新生児一過性多呼吸の症状がありました。
赤ちゃんは生まれてすぐ呼吸が出来るようになるのですが、一部の赤ちゃんで肺の水分が残ってしまい、数時間~数日の間、少し呼吸が苦しくなることがあります。
症状は呼吸が速くなり、苦しそうな場合は呼吸をサポートする器具を装着したり、酸素の補充を行います。
黄疸 (高ビリルビン血症)
黄疸は日本人の場合、生後1週までの間にほとんどの赤ちゃんにみられます。
ビリルビンの基準値によっては光線療法をすることがあります。
息子も光線療法を受けました。
非抱合型ビリルビンが非常に高い状態が続くと、脳に影響が出ることがあります。核黄疸(かくおうだん)と言います。光線療法は非抱合型ビリルビンを減らして核黄疸を防ぐのが目的です。
引用:MEDLEY
授乳に苦戦
赤ちゃんが小さいのでお口も小さく、おっぱいを飲ませるのも大変でした。
体力もないので飲んでる途中で必ず眠っていました。
哺乳力・哺乳量も少ししかなかったので、おっぱいが岩のようにガチガチに張ってしまい、定期的に助産師さんがマッサージにきてくれるんですが、これが痛い!
夜中は助産師さんが起こしに来てくれて、毎日2~3時間に1回は搾乳していたと思います。
数日間は直接飲ませるよりも搾乳して哺乳瓶で授乳することが多かったですが、赤ちゃんが上手に飲めるようになってからは2時間おきぐらいにNICUに行き、直接授乳していました。
体重とおしっこは毎回計測
授乳の前後で必ず赤ちゃんの体重を測って用紙に記入します。
「どれくらいおっぱいやミルクを飲んだか」「体重が順調に増えているか」を、把握するためです。
体重が増えるともうすぐ退院できるんだ!と思って嬉しかったことを覚えています。
NICUからGCUへ移動
自分の退院翌日から母乳を届けにNICUに通う日々。
自宅から電車と徒歩で約1時間ほどの距離でした。
痛みの残る体で冷凍母乳と保冷剤が入った重いリュックを背負い、汗だくになりながら通うのはきつかったけど、息子に会える喜びの方が大きかったです。
「今日も元気ですよ~」「順調に体重増えてますよ~」NICUの看護師さんは入院中からいつも励ましてくれました。
黄疸の光線治療も終え、呼吸も安定し体重増加も順調だった息子は、無事GCUに移動。
入院から27日目に退院
退院が決定すると、GCU奥にある小さな個室で赤ちゃんと1泊過ごします。
実際に赤ちゃんと24時間過ごして付きっきりでケアをすることで、赤ちゃんの状態やおうちに帰ってからのお世話の流れを把握できます。
入院中はいろんな検査や黄疸の治療などが続きましたが、2116gだった体重も2784gに。
入院から27日目、無事に退院できました。
NICU・GCUの入院費用
26日間の入院でかかった費用は4万円でおつりがくるぐらいだったと思います。
完母だったので、食事代(ミルク)はほとんどかかりませんでした。
入院費用の大半はオムツ代でした。
NICU・GCU体験談】面会の条件
病院によって差はありますが、「面会の時間は〇時~〇時まで」「赤ちゃんの両親のみ」といった感じで決められていることがほとんどだと思います。
わたしが出産した病院は、面会は赤ちゃんの両親と祖父母のみ(祖父母のみでの面会は不可)、面会時間は24時間OKでした。
感染予防のために面会の際は荷物はロッカーに預け、スマホでの撮影は不可。
入室の際は手洗い+アルコール消毒+マスクが必須で、長い髪は結ばないといけませんでした。
NICU・GCUの退院の目安
低体重だった場合、赤ちゃんの体重が順調に増えて状態が安定するまでは『NICU・GCU』での入院生活が続きます。
病院ごとに差はあると思いますが、退院の目安は以下を参考にしてください。
- 自分でオッパイやミルクを飲める
- 体重の増加(目安は2500g以上)
- 呼吸や心拍が安定している
- 注意深く観察しなければならない病気がない、または安定している
私の場合、出産予定日ぐらいまでは入院になると聞いていましたが、体重が2600gを超えて特に問題がなさそうだった息子は入院から27日目に退院できました。
その後も元気に成長してくれています。
NICU・GCUを経験してわかったこと
NICU・GCUに実際入院してみて、わかったことをまとめました。
看護師は赤ちゃん3人に対して1人以上の配置が定められていて、新生児専門の医師や看護師が24時間体制で治療やお世話をしてくれるところ。
NICUでの治療を乗り越え、ある程度状態が落ち着いてきた赤ちゃんのケアを行うところ。
早産児や疾患をもって出生したハイリスクの新生児に対して、成長・発達をサポートするケアのこと。
病院ごとに細かく決まっているので注意。
体重が順調に増え、赤ちゃんの状態が安定していること。
ママは自分を責めないで
助産師さんや看護師さん、先生には入院中とてもよくしてもらいました。
周りに助けてくれる人もいないし、1人でやっていけるだろうか…と不安で「退院したくないな…」と思ったりもしました。
私と同じような体験をしたママは早く産んでしまった自分を責めてしまうと思います。
実際私もそうでした。それは今も変わっていません。
入院中、NICUの看護師さんに言われた言葉があります。
「赤ちゃんは自分で出てくるタイミングを決めるんですよ」
こう言ってもらえて少し救われた気がします。
もし同じような経験をしたママがこれを読んでくれて、少しでも心が軽くなってくれれば嬉しいです。